ブログ

【お得はどっち?】個人事業主の法人化・株式会社 or 合同会社の違いを徹底比較!

節税効果、信用度、自由度…それぞれのメリット・デメリットを徹底解説!

こんにちは、なかまゆです。

最近はフリーランスの方も増えました。総務省の統計局が2023年7月21日に公表した調査によると、日本の有業者の中で本業がフリーランスの人の数は209万人

個人事業主として順調に事業を成長させている方も多いのではないでしょうか?

「そろそろ法人化した方がいいのかな?」「でも、株式会社と合同会社、どっちがいいの?」そんな疑問をお持ちではないでしょうか?

法人化には、社会的信用度の向上、個人資産の保護、節税効果など、様々なメリットがあります。

しかし、株式会社と合同会社では、設立費用や運営コスト、経営の自由度、社会的信用度などに違いがあり、どちらを選ぶべきか迷ってしまう方も多いと思います。

そこで今回は、株式会社と合同会社の違いを徹底的に比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

さらに、どんな事業者に向いているのか、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。

この記事を読めば、あなたの事業に最適な法人形態を選ぶことができるはずです!

1. 個人事業主が法人化するメリットとは?

個人事業主として事業を行っていると、ある程度の規模になってくると「法人化」を検討するタイミングが訪れるかもしれません。

私も「なかまゆさんは会社にしないの?個人ではなく会社として取引きしたい」と言われたことがありました。

法人化とは、個人で営んでいた事業を会社組織にすることです。
(法人成りともいう)

法人化には、いくつかのメリットがあります。そのメリットをお伝えします。

1 社会的信用度が向上する

法人化すると、肩書きが「フリーランス」から「代表取締役」や「代表社員」に変わります。

これにより、取引先や金融機関からの信頼度が向上し、新たなビジネスチャンスが広がる可能性があります。

例えば、

大企業との取引: 一部の企業は、個人事業主との取引を制限している場合があります。法人化することで、そういった企業とも取引できるようになる可能性があります。

融資の審査: 金融機関からの融資を受ける際、法人の方が個人事業主よりも審査に通りやすい傾向があります。

補助金・助成金の申請: 法人の方が、国や地方自治体からの補助金や助成金の対象になりやすい場合があります。

人材採用: 法人化することで、優秀な人材を採用しやすくなることがあります。

2 有限責任になる

個人事業主は、事業で生じた借金などの債務を、私財で返済する義務があります(無限責任)

一方、法人化すると、会社の資産で債務を返済するため、個人の資産は守られます(有限責任)

万が一、事業が失敗した場合でも、個人の財産を失うリスクを軽減できるのが法人化の大きなメリットです。

3 節税効果が大きい


法人化の最大のメリットの一つが、節税効果です。

個人事業主は、所得税を支払いますが、法人化すると法人税を支払うことになります。

所得税は累進課税であり、所得が増えるほど税率が高くなります。

一方、法人税は、所得の額に関わらず一定の税率であるため、所得が多いほど法人化の方が節税効果が高くなります

例えば、所得が2,000万円の場合、個人事業主であれば所得税と住民税合わせて約50%の税金を支払う必要があります。

一方、法人であれば法人税と地方税合わせて約33%で済みます。

さらに、資本金1億円以下の法人であれば、所得800万円以下の場合、軽減税率15%が適用されることもあります。

法人化によるその他の節税メリット

  • 役員報酬の活用: 役員報酬を経費として計上することで、法人税を節税できます。
  • 退職金の損金算入: 役員退職金を損金として計上することで、法人税を節税できます。
  • 生命保険料の損金算入: 法人が契約者となる生命保険料の一部を損金として計上できます。
  • 交際費の活用: 一定額までの交際費を経費として計上できます。

これらの節税メリットを最大限に活用することで、より多くのキャッシュを残し、事業の成長に投資することができます。

2. 株式会社と合同会社、3つのポイントで徹底比較

特徴株式会社合同会社
設立費用高い安い
経営の自由度低い高い
社会的信用度高い低い

1 設立費用

株式会社と合同会社では、設立費用に大きな差があります。

株式会社の設立費用

項目金額備考
登録免許税150,000円資本金の0.7%(最低15万円)
定款認証手数料50,000円電子定款の場合は不要
定款印紙代40,000円電子定款の場合は不要
登記申請手数料12,000円自分で手続きする場合
合計252,000円

合同会社の設立費用

項目金額備考
登録免許税60,000円
定款認証手数料50,000円電子定款の場合は不要
定款印紙代40,000円電子定款の場合は不要
登記申請手数料10,000円自分で手続きする場合
合計160,000円

上記の通り、合同会社の方が株式会社よりも設立費用が安く抑えられます。

特に、電子定款を利用すれば、定款認証手数料と印紙代が不要になるため、さらに費用を抑えることが可能です。

2 経営の自由度

株式会社と合同会社では、経営の自由度にも違いがあります。

株式会社の経営

株式会社は、株主総会や取締役会などの機関を設置し、法律で定められたルールに従って経営を行う必要があります。

そのため、重要な決定事項は株主総会の承認が必要となり、経営の自由度は低いと言えます。

合同会社の経営

合同会社は、株式会社のような機関を設置する必要がなく、社員間で自由にルールを決められます

そのため、意思決定が迅速に行え、柔軟な経営が可能です。

自由度の高さゆえの注意点

合同会社は、自由度が高い反面、社員間のトラブルが起こりやすいというデメリットもあります。

利益配分や経営方針をめぐって対立が生じ、最悪の場合、会社が解散してしまうケースもあるため、注意が必要です。

なかまゆ

私は合同会社を設立しました☺️

3 社会的信用度

一般的に、株式会社の方が合同会社よりも社会的信用度が高いとされています。

これは、株式会社の方が歴史が長く、知名度が高いことや、上場企業の多くが株式会社であることが理由として挙げられます。

株式会社のメリット

  • 社会的信用度が高い: 取引先や金融機関からの信頼を得やすい。
  • 資金調達しやすい: 銀行融資や株式発行など、資金調達の選択肢が多い。
  • 人材採用に有利: 優秀な人材を採用しやすい。

合同会社のデメリット

  • 知名度が低い: 株式会社に比べて知名度が低いため、信用を得にくい場合があります。
  • 資金調達が難しい: 銀行融資を受けにくい場合があります。
  • 人材採用に不利: 株式会社に比べて知名度が低いため、人材を採用しにくい場合があります。

今後の展望

近年、合同会社を選択する企業が増えており、AmazonやGoogleといった大手企業も合同会社として設立されています。

この流れが続けば、将来的には合同会社の社会的信用度も向上していく可能性があると思われます。。

3. 合同会社に向いている事業者とは?

ここまで株式会社と合同会社の違いを解説してきましたが、結局どちらの法人形態を選べば良いのでしょうか?

結論として、「どんな事業をしたいか」「誰と事業を行うか」「どのような経営スタイルを望むか」によって、最適な法人形態は異なります。

ここでは、合同会社に向いている事業者について、具体的な特徴や事例を交えながら解説します。

1 役員の任期がない

株式会社で通常2年と定められている役員の任期が、合同会社では無制限です。役員の任期が終了するたびに発生する重任登記の登録免許税(1万円または3万円)も、合同会社では不要となります。

2 小規模事業やスタートアップ

合同会社は、設立費用やランニングコストが株式会社よりも安く抑えられるため、小規模事業やスタートアップに向いています。

例えば、

  • カフェや美容院などの個人経営の店舗:
  • 従業員を雇用せず、少人数で経営する店舗の場合、合同会社の方がコストを抑えられます。
  • Web制作会社やデザイン事務所:
  • 少人数でスタートし、徐々に事業を拡大していく場合、合同会社の方が柔軟に対応できます。
  • IT系のスタートアップ:
  • 新しい技術やサービスを開発し、市場に投入するスピードが求められるスタートアップ企業にとって、合同会社の迅速な意思決定は大きなメリットです。

3 家族経営や親族への事業承継を検討している事業者

合同会社は、社員間の利益配分を自由に決められるため、家族経営や親族への事業承継を検討している事業者に向いています。

例えば、

  • 家業を継ぐ場合: 親族に事業を承継する際、株式ではなく持分を譲渡することで、スムーズな事業承継が可能です。
  • 夫婦で事業を行う場合: 夫婦それぞれの貢献度に応じて、自由に利益配分を決められます。

4 社会的信用度よりも経営の自由度を重視する事業者

合同会社は、株式会社に比べて知名度や社会的信用度は低いものの、経営の自由度が高いという特徴があります。

例えば、

  • 新しいビジネスモデルに挑戦したい: 従来の株式会社の枠組みにとらわれない、新しいビジネスモデルに挑戦したい場合、合同会社の方が柔軟に対応できます。
  • 迅速な意思決定をしたい: 市場環境の変化に迅速に対応するためには、意思決定のスピードが重要です。合同会社は、株主総会などの手続きが不要なため、迅速な意思決定が可能です。
  • 社員間の合意を重視したい: 合同会社は、社員間の合意に基づいて経営を行うため、社員間のコミュニケーションが活発な組織に向いています。

5 資金調達をあまり必要としない事業者

合同会社は、株式会社に比べて資金調達が難しいというデメリットがあります。

そのため、当面の間は資金調達を必要としない事業者に向いています。

例えば、

  • 自己資金で開業できる事業: 貯金や退職金など、自己資金で開業できる事業であれば、合同会社でも問題ありません。
  • 少額の融資で対応できる事業: 日本政策金融公庫などの公的機関からの融資であれば、合同会社でも比較的容易に受けられます。

まとめ:事業に最適な法人形態を選ぼう!

項目 株式会社 合同会社
会社の所有者と経営者の関係 所有者は株主。経営者は別の場合が多い。株主総会で意見が反映される。 所有者と経営者は同一。定款で柔軟に規定可能。
意思決定のスピード 株主総会が必要で時間がかかる。 全社員の同意で迅速に決定可能。
設立時の手続きと費用 定款の認証が必要。費用は約22.2万円。 定款の認証が不要。費用は約10万円。
決算公告の義務 決算公告が必要。官報掲載費用などが発生。 決算公告の義務なし。
役員の任期更新 役員の任期は通常2年。更新が必要。 任期の更新が不要。
利益配分のやり方 保有株式に応じて配分。 定款で自由に規定可能。出資比率と異なる配分も可能。
資金調達方法 株式発行が可能。大規模な資金調達が可能。 株式発行ができない。大規模な資金調達には向かない。
会社の代表者 代表取締役。 代表社員。
社会的信用度 高い。上場可能。 比較的低い。
経営の自由度 低い。株主の意見を反映する必要がある。 高い。柔軟に経営可能。

今回は、個人事業主が法人化するメリットと、株式会社と合同会社の違いについて解説しました。

どちらの法人形態を選ぶべきかは、あなたの事業内容や経営方針、将来の展望などを総合的に考慮して判断する必要があります。

この記事が、あなたの事業に最適な法人形態を選ぶための参考になればいいなと思います。
なかまゆでした!